北海道大学病院内科Ⅰ(第一内科)

キャリアイメージ

2012年度 インタビュー

後期研修医 郷 俊寛

内科I(第一内科)郷 俊寛
※本ページの内容は、2012年にインタビューした時点のものです。

略歴

北大病院内科I(第一内科)郷俊寛 2003年 旭川東高等学校卒業
2009年 北海道大学医学部卒業
2010年 北海道大学にて前期研修
2012年 岩見沢市立病院にて後期研修

臨床だけでなく研究でも世界レベルの第一内科。だから世界と渡り合える

医学を志した理由をお聞かせください

医学は分野的に研究しがいがあるからです。今後数年~数十年間、めまぐるしく医学の常識も変わってくるでしょう。これからずっと探求するにはうってつけの職業かな、と考えました。
太古から病気は経験則だけで、症状ごとにカテゴライズして同じような治療をすれば治る、と知識的に重なってきました。でもこのごろは、病気の理由が細胞レベルで少しずつ解明されてきました。ワトソン-クリックがDNAを発表し、DNAの二重螺旋構造を解明され、今日DNAの解明がめまぐるしく進んでいます。今では遺伝子レベルで病気を治したり、遺伝子レベルで病気の原因を突き止めたりできるので、非常に魅力的です。

その中で第一内科を選んだ理由は何ですか?

北海道大学第一内科 郷俊寛臨床もさることながら、多くの先生方が研究にも非常に大きな理解を示してくださるところです。今後、世界レベルで渡り合うということになると、臨床だけではなく研究にも力を入れているところでなければならないと考えました。幸い第一内科は研究でも世界レベルですから、入局を決めました。北大出身だったことももちろんありますが、たとえ違う大学出身だったとしても、今の第一内科に入局していたと思います。また、もし第一内科があまり研究に力を入れていなければ、違う大学の違う科に行っていた可能性はあったと思います。

日本では内科医になる方、外科医になる人がこのごろ少なくなって、医師ひとり当たりが受け持つ患者さんの数がすごく多くなってきていると思います。ですからどうしても研究に力が入らず、おろそかになってしまったり、甘く見られているのではないでしょうか。実際世界的には、研究している医師と臨床に力を入れている医師の数はイーブン・イーブンです。日本には良い機械や優れた技術が多くあります。それを生かして、日本全体が臨床だけでなく研究の方でも世界に羽ばたければ、と考えています。少なくとも、自分の世代でなくても今後の世代に、自分たちの知識や研究内容、研究の能力など引き継いでいければと思います。

内科を選ぶまでに迷ったそうですね。

はい、すごく迷いました。これから医療技術のみならず、電気技術と言いますか、インターネットもそうですし、コンピュータもそうですが、そのようなものが進化してくると、さらに解明できることが細かくなってくると思うんですね。例えばDNAが二重螺旋だったことがわかり、僕が生まれたころはそれで良かった良かったという話でした。それが今は何本あるかとか、どこに何があるかとか、どういう風に複製されてるかということまでわかってきました。もちろん癌の遺伝子も少しずつ見つかり…というように、これからも自分があと20年30年と生きていれば、どんどん進化するでしょう。その進化に私も参加したいという願いが強くありました。それが内科を選んだ大きな理由ですね。

臨床も好きです。何ごとにも机上での理論・理想というのがあると思うんですね。でもその理想が現実では絶対的でないことがあります。理想を追い求めるのは追い求めますが、それを臨床にきちんとつなげることができなければ意味がないと考えています。そうでなければ患者さんのためにもなりません。
例えば、ひとつのばい菌が解明されたら、そのばい菌に対する抗生剤ができます。じゃあそのばい菌にかかってる患者さんに対して、そのばい菌だけに効く抗生剤を投与すれば治るかというと、必ずしも治らないと思うんですね。そのばい菌プラスアルファ、違うばい菌もいて初めて何らかの病気になっているかもしれません。要するに研究と臨床にギャップがあるので、そのギャップを埋めなければいけない。だから私は臨床も好きですし、今後も臨床はずっとやっていくつもりです。そして、研究もそれと同じくらいがんばりたいな、と考えています。五分五分でがんばらなきゃいけません。

岩見沢市立病院での後期研修はいかがでしょうか

前期研修は所詮研修医だったので、上の先生のところにべったりくっついてという甘えもありました。しかしこちらでは自分が主治医になって、いつ入院するかいつ退院するかということもすべて決めなければならない責任が大きくなりました。その分、細かいところまで、すべて注意できるようになれたかなと考えていますね。少しずつ、自分では成長しているかなと考えています。上の先生方もいろいろ教えてくださいますし、何よりも非常に聞きやすい環境です。すぐにいろいろ教えてくれるし、それがいいかなと思っていますね。医局も居心地がいいと思います。

日本の医療について感じることは?
それぞれの国でニーズというものがあると思うんです。アメリカだったら例えばあちらではエイズが非常に多いのでエイズに対して研究をしたり、糖尿病にも力を入れますが、逆に日本では日本なりのニーズがあると思います。高齢化社会ですから、高齢者特有の病気を研究したり、今はやはり一次予防ということに力を入れています。患者さんも病気に対して興味を持ってきましたから、臨床に偏るというのはしごく自然なことだと私は思います。でも今後は、治すことも非常に重要ですけど、なぜそうなるかということに興味を持つべきと私は思います。「こういう病気だったらこの薬で」でもいいとは思うんですが、じゃあその薬がなぜどのように効いているか、そもそもなぜそういう病気になったのかを追究していくと、もっともっとおもしろくなるんじゃないか、と思います。

世界的リーダーとともに仕事ができることも大きな魅力です。

第一内科を考えている学生さんへ

北海道大学第一内科 郷俊寛研究と臨床の調和、コラボと言いますか、どちらにも力を入れているということは、本当にすばらしいと思います。たぶん学生のときに基礎を勉強して、その後勉強しっぱなしで終わっているのではないでしょうか。別にそれだけでも普通に生きていけるとは思うのですけれど、もう一度基礎を勉強し直す。そうすれば研究もものすごく進むと思いますし、そういうことを強く言ってくださる先生方が多いことが一内の魅力だと考えています。
西村教授はCOPD領域における世界的リーダーの一人です。そういう方とともに仕事ができることも大きな魅力です。